艦これRPG「駆逐艦「満潮」、着任したわ!」

●はじめに

以前に私が提督を、プレイヤーS氏に艦娘をしてもらって遊んだ拙作『駆逐艦「○○」、着任しました!』のテキストセッションが楽しかったのでリプレイとして公開します。
こういうものは、その時、その場で遊んでいた者同士でしか楽しめないものであると思いますが、シナリオを公開し、慣れない人はこれを使って試しに遊んで云々と言ったのだから自分で遊んだものを出すのも必要だろうと思ったのが公開した理由です。
なお、セッション中に元のシナリオからアレンジを加えたり、話を大きくしたりしていますが、気分でやっているのでそういうものだと思ってください。特に、このセッションはキャンペーンとして続けることを念頭に遊んだので、そのような部分が多々あります。
グダグダと言い訳をしましたが、つまりは私がとても楽しく遊べたので、この楽しさを欠片でも共有したかったのです。

このリプレイでは、GMPL同士の会話をできるだけ省き、SSのように読めるよう意識しました。それから、あえてゲーム的な処理の部分をRPとして処理することで、出来る限りゲーム性のない読み物としています。殆どテキストセッションのログそのままなので、読みにくいところがあるかもしれませんがご了承ください。

最後に公開を許可していただいたS氏には改めて感謝致します。
(トカゲッコー)

リプレイ作成兼GM:トカゲッコー プレイヤー:S氏
なお、このリプレイの著作権は製作者にあり、無断転載等を禁止致します。
(CCBYSA)

●インフォメーション

ソロシナリオ『駆逐艦「○○」、着任しました!』(公開シナリオ)
艦娘人数:1人
リミット:1サイクル

【あらすじ】

駆逐艦「満潮」はとある鎮守府の前にいた。
その鎮守府は「トカゲのしっぽ鎮守府」という。
満潮は、今日からこの鎮守府に配属されることになったのである。
鎮守府ではどんな生活をすることになるのか?
自分以外にはどんな艦娘がいるのだろうか、自分は彼女たちと仲良くなれるだろうか?
そんな期待や不安を抱えながらも、満潮は鎮守府に到着する。
兎にも角にも、まずは提督に着任報告だ。
提督執務室を訪れ、提督に着任報告を行う。
そして、満潮は驚きの事実を伝えられる。
鎮守府の艦娘は満潮1人だけしかいないと、提督は言うのである。
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▼用語
GM:ゲームマスター、艦これRPGでは「提督」と呼ぶ。PC以外のNPCを操作する。
PL:プレイヤー、艦娘を操作する。
PC:プレイヤーキャラクター、艦これRPGでは「艦娘」と呼ぶ。
NPC:PC以外のキャラクター。
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まずはGMから導入フェイズの前にシナリオの説明や使用艦娘の確認等が行われた。
PLの使用艦娘は駆逐艦「満潮」に決定された。
鎮守府の名称は相談により、「トカゲのしっぽ鎮守府」となった。
GM(以下、提督):ということで、よろしくお願いしますー。
PL(以下、満潮):よろしくお願いしますー。
提督:では、導入フェイズを開始していきます。
満潮:了解ですー。

■導入フェイズ

駆逐艦「満潮」はとある鎮守府の前にいた。その鎮守府は「トカゲのしっぽ鎮守府」という。
キミは、今日からここに配属されることになったのである。
まずは提督に着任報告をするために執務室に行かなければ。提督は執務室にいるだろうか?

満潮:「ここがトカゲのしっぽ鎮守府ね。ひっどい名前。切られておしまいってわけ?」
満潮:「まぁなんでもいいわ。せめてまともな提督がいればいいけれど。」
満潮は地図を見ながら執務室に向かう。
そして、誰とも出会うことなく、提督執務室と看板がある扉の前まで来た。
満潮:「……ここね。」
コンコンコンと強めにノックすると、中から返事が聞こえてくる。
満潮:「失礼するわ。」
提督:「はい、失礼されるよ。おや、君は。」
満潮:「満潮よ……。私、なんでこんな鎮守府に配属されたのかしら。」
満潮は背筋をピンと伸ばし、目を細めて提督を見る。
提督:「……あー、そういえば今日だったねぇ。新しい艦娘の配属日。」
満潮:「いままで忘れてたの?本当に適当ね。」

PL:あ、罵倒系RPとか嫌なら控えますよ。
GM:むしろもっとやってくれ。
PL:そういやボノのボイスループで聞いてる変態だったな……。
※キャラとはいえこういう確認も大切だよね!
GM:Oh、じゃあ、続けるヨー。

提督:「いやぁ、ごめんね。最近大規模作戦で忙しくてさ。日付を勘違いしてたみたい。」
提督:「じゃあこちらも自己紹介を――」
満潮:「はぁ?日付を勘違いとかありえないわよ!今日の作戦や任務は大丈夫なの!?」
提督:「ははは、まあそこらへんはぬかりないよ。」
満潮:「本当でしょうね……?で、なに?」
提督:「うん、そっちは後で言おうかな。」
提督:「とりあえず、僕の名前は月見という。好きに読んでくれて構わないよ。」
満潮:「適当に呼ぶわ。」
満潮:「とりあえず作戦指揮はしっかりしてよね。つまらない作戦なんて立てないでよ!」
提督:「もちろん。駆逐艦「満潮」よく来てくれたね。これから、よろしく。」
月見提督は手を出し、満潮に握手を求める。しかし、満潮はこれを無視する。
満潮:「よろしくするのは、最低限まともな指揮ができるのを見てからにするわ。」
提督:「真面目ちゃんだねぇ。」
提督:「まあ、僕はこんなんだから満潮も気軽にしなよ。背筋伸ばしてちゃ肩こるよ?」
満潮:「むしろそんなんだから心配してんのよ!うざいったらないわ。」
提督:「ははは、まあ真面目で、それに優しい娘みたいで安心したよ。」
提督:「これなら任せられそうだね。」
満潮:「早速、任務?荷物も下ろしてないけど?」
提督:「うん、まあそれも合わせて説明するよ。」
満潮:「……。」
さすがに突っかかる部分もないようで、満潮は黙って提督の話を聞く。
提督:「まずはね。駆逐艦「満潮」。キミを現時刻を持って僕の秘書艦に任命する。」
満潮:「……はぁ!?」
提督:「うん、まあさっき大規模作戦中だって言ったよね。」
満潮:「そうね。」
提督:「この鎮守府の場所を思い出してみて欲しい。ここ、前線とは結構離れてるんだ。」
提督:「でも、この鎮守府は運がいいのか。正規空母やら戦艦やらの戦力を抱えていてね。」
提督:「大規模作戦中にその戦力を遊ばせておくことはできないんだね。」
提督:「というわけで、この鎮守府の艦娘はキミを除いて、遠征に行ってるんだ。」
提督:「もちろん、大規模作戦の戦力としてね。」
満潮:「……はぁ!?全員!?私以外全員を前線に投入したの!?」
提督:「大本営もひどいよねぇ。秘書艦まで出撃命令が出るんだよ?」
提督:「まあ、ここらの海域は深海棲艦もほとんど出ないからって判断だろうけれど……。」
満潮:「名前の通り尻尾切って新しいのを生やす気なんじゃないの?」
提督、暫し沈黙。
提督:「そ、そんなことはナイヨ。」
満潮:「まったく……、着任したとおもったら尻尾切りに付き合わされるなんて……。」
提督:「ま、まあ満潮が来てくれてよかったよ。」
満潮:「帰っていいかしら。」
提督:「実際、深海棲艦はほとんど出ないといっても目撃が0なわけじゃないんだ。」
満潮:「とりあえず、海軍はあいも変わらずクソだってことはよくわかったわ……、はぁ。」
満潮:「……。」
満潮:「別にアンタを守ろうとは思わないけれど。」
満潮:「鎮守府近郊に町があったわね。とりあえず、町を守るために戦ってあげるわ。」
提督:「うんうん、満潮ちゃんは優しくて提督誇りに思うよ。」
満潮:「ま、アンタがのたれ死んでも気にしないから頑張って自分は守りなさい。」
満潮:「つまらない作戦立てたら、本気で見捨てるから。」
提督:「ははは、まあ死ぬときは僕だけ死ねばそれで済むようにするさ。」
提督:「よろしくね。秘書艦殿。」
満潮:「……で?私は何をすればいいわけ?」
満潮:「言っとくけど。実戦経験は0だし、事務関係は少ししかできないわよ。」
提督:「そうだねぇ。うーん、キミ1人でまともに艦隊行動もできないしなぁ……。」
提督:「あっそうだ!」
満潮:「嫌な予感がするわ。」
提督:「まずは名前決めよう!艦隊名だよ!艦隊名!」
提督:「せっかくの満潮ちゃんの鎮守府生活のスタートだよ。」
提督:「第一艦隊とか味気ないし僕が面白くない!」
満潮:「私一人なのに?」
提督:「1人でも艦隊なの!提督が決めました!」
提督:「というわけで――」
そう言い、提督は執務机の棚から紙とサイコロを2つ取り出す。
満潮:「……はぁ。ほんと、なんでこんな鎮守府に来たんだか……。」
提督:「じゃじゃーん!ランダム艦隊命名表ー。」(ド○えもん)
提督:「じゃあはい、これ。」
満潮は、表のようなものが書かれた紙と、サイコロを2つ渡される。
満潮:「あんた、それ新しい子が来る度にやってんじゃないでしょうね。」(ジトー)
提督:「ソンナコトナイヨ。」
提督:「と、とにかく決めよう!面白いよ!」
提督:「ほら、そのサイコロ転がしてみて。」
満潮:「はぁ。」
満潮は無造作にサイコロを机の上に投げる。
提督:「ふむふむ。【地名+勇猛+チーム】か。」
提督:「じゃあ地名で振るよ!サイコロ振って振って!」
満潮:「地名だとこの鎮守府の地名じゃないの?」(ジトー)
提督:「え?ランダムで決めたほうがカオス……楽しいよ?」
満潮:「あんたがクソ提督だってことは今理解したわ。」(コロコロ)
提督:「ひどいなぁ。」
提督:「おっ、タウイタウイ!あ、違った【ブルネイ】だ。」
満潮:「ここ日本だけど?」
提督:「うん、日本のブルネイなんじゃない?」
満潮:「いくらなんでも雑すぎよ!」
満潮:「……で、次は?」
提督:「えー、面白いじゃない。次は勇猛表振るよ!」
提督:「張り切っていこう!」
満潮:「……。」(コロコロ)
提督:「【殴り込み】……。」
提督:「ぷふっ、満潮ちゃんの顔で殴り込みはちょっと……ふふっ。」
満潮:「目の前に殴りたい奴ならいるけど。」
提督:「暴力反対!だめだめ!」
満潮:「殴るのが不満なのね?なら主砲で吹っ飛ばしてあげるわ。」
提督:「さ、さあ!チーム表振って!さあ!ほらほら!」
満潮:「……はぁ。」(コロコロ)
提督:「【隊】……。」
提督:「では、満潮ちゃん艦隊名は【ブルネイ殴り込み隊】になりました!」
満潮:「ブルネイに恨みでもあるのかしらね。」
提督:「わー!パチパチ!」
満潮:「とりあえず、目の前の訳のわからないペンギンになら、殴り込みたいわね。」 ペンギン:セッション時の提督立ち絵はペンギンのぬいぐるみだった。
提督:「ふー。仕方ないなぁ。不満ならどこか振り直すのを認めてあげるよ?」
満潮:「提督の振り直しをしたいわ。」
提督:「ないよ!提督はオンリーワン!」
満潮:「オンリーワンよりナンバーワンよ。」
提督:「ナンバーワンでオンリーワンな提督ならここにいるじゃないっ!」(イカヅチー)
満潮:「しっぽきりランキングなら確実にナンバーワンになれそうね。」
提督:「まあまあ、よろしく頼むよ。ブルネイ殴り込み隊。」
提督:「いやぁ、着任当日に艦隊旗艦と秘書艦兼任なんて満潮ちゃんはすごいなぁ。」
満潮:「あんたの鎮守府の頭のおかしさしか伝わってこないわよ。」
満潮:「そのニヤケた面穴だらけにしてやろうかしら。」
提督:「ツンデレってやつかな?うちの曙と仲良くなれそうだねぇ。」
満潮:「で、次は何すれば言い訳?」
提督:「そうだね。任務か……。うーん。」
提督:「あ、資材の消費とかするときは僕に言ってね。管理は僕がしてるからさ。」
満潮:「そう、じゃあよろしく。」
提督:「……。」
提督:「よし!初任務!この鎮守府での生活になれること!」
提督:「ここに配属されたばかりだからね。まずはこの環境に慣れることから始めようよ。」
満潮:「アンタ以外に誰もいないけれど何に慣れろと?」
提督:「ほら、鎮守府の施設見学とか……、いろいろあるかも?」
☆任務1:鎮守府フェイズでPCのシーンを一回成功させること
提督:「とにかく、これがキミの記念すべき初任務だよ。」
提督:「あっ、あとね。」
満潮:「なに?」
提督:「君の部屋は駆逐艦寮にあるよ。これ鍵。」
満潮:「……わかったわ。」
提督:「今日満潮が来るって忘れてたからさ。掃除とかまだなんだ。」
提督:「だから、まあその、まずは掃除頑張って……?」
満潮:「そんなのアンタがすればいいでしょ……。まぁ、もう私がきたし、自分でやるわ。」
提督:「う、提督はほら執務とか……、あるかも。」
満潮:「そのサイコロと紙をしまってから言いなさいよ。」
提督:「うっ。大変そうだったら手伝うからさ!とにかく荷物とかも片しちゃいなよ!」
満潮:「……はぁ、まぁ行ってくるわ。用があったら放送かなんかで呼びなさい。」
提督:「分かったよー。あっ、満潮ちゃん。」
満潮:「なによ。」
提督:「満潮ちゃんってさ。気になる艦娘とかいるかい?」
満潮:「……?そうね、朝潮かしら。」
提督:「そっか。朝潮はまだこの鎮守府にはいないんだ。ごめんね。」
提督:「こっちに着任できるように掛けあってみるよ。」
満潮:「いや、それはいいわ。」
提督:「あれ?いいの?」
満潮:「この鎮守府にきたらアンタに振り回されて困惑する姿しか思い浮かばないから。」
提督:「うっ、結構マトモだと思ってるんだけど、僕……。他のに比べれば……。」
満潮:「五十歩百歩よ。それじゃあね。」
最後にそう言うと、満潮は執務室から出ていった。

――導入フェイズ、終了

■鎮守府フェイズ

提督:今回は1サイクルで、全部でシーンが3つあります。
提督:うち、2つはマスターシーンになります。
提督:1:マスター、2:PCシーン、3:マスターという流れです。
提督:かぶりはありません。進行の説明はこのくらいかな。
満潮:了解です。
提督:では、1シーン目から。あと、登場さえしていたら個性の発見は可能とします。

イベントシーン:鎮守府の掃除
指定個性《衛生/航海11》or《マジメ/性格5》
「これから、自分が生活を送る場所。まずはキレイに掃除しなきゃ!」
達成:シーンプレイヤーのPCは、好きなアイテムの中から一つ選び、それを一個獲得する。
残念:サイクル終了まで全ての判定にマイナス1の修正が入る。

満潮は指定された部屋へ入ろうと扉を開いた。
埃っぽく、掃除されていないのがわかる。このままで生活するのは厳しそうだ。
満潮:「……ホコリが酷いわね。」
満潮はため息をつきながら部屋を見渡す。
満潮:「はぁ、この格好じゃ、部屋にまず入れないじゃない。」
満潮はトイレ行き、ジャージに着替え、頭にナプキンとマスクを装備した。
そして、満潮は掃除道具を探そうとしていたところで、放送が入る。
放送(提督):『ピンポンパンポーン。』
放送:『あーあーマイクチェック。ワン、ツー。』
放送:『満潮ちゃん。掃除用具入れは廊下にあるから適当に取ってね。』
放送:『以上!』
満潮:「……ほんと、先が思いやられるわ。」
掃除用具入れの中には、バケツ、雑巾、はたき、箒、塵取り、布団叩きもあった。
満潮はそれらをバケツに突っ込んで部屋に入る。
満潮:「布団もホコリだらけ!ほんっとあり得ないわ!」
満潮は文句を言いつつ、掃除を始める。
提督:よし、じゃあここらで判定いこうか。指定個性は《マジメ》でやろう。
満潮:やってやるわ!(コロコロー)→成功
提督:部屋が綺麗に!テキパキと掃除と片付けができました。
満潮:「こんなところね。」
満潮が掃除を終えたくらいに提督が部屋までやってきます。
提督:「おー、綺麗になってるねぇ。さすが満潮ちゃんだなあ。」

PL:じゃあ、着替え中に入ってくるんだな。
GM:ファッ!?着替え中!?
PL:だって掃除おわったし……。
GM:……おっ、それもそうだな。

そして、入ってきた提督と着替え中の満潮は目が合う。沈黙。
満潮:「……。」
提督:「……。」
提督:「あっ。あの、とりあえず出ます……。」
提督が部屋を出て扉を閉めると中からは怒声が聞こえてくる。
満潮:「こんの変態クソ提督!!ノックぐらいしろー!!」
提督:「ごめん!わざとじゃないから!イイモノ持ってきたんだよ!」
提督:「そ、それに別に恥ずかしがるほど大層なものでも……。」
満潮:「アンタほんとにぶっ飛ばすわよ!」
提督:「と、とりあえず着替えなよ!イイモノあげるから!」
暫くして、いつもの制服に着替えた満潮が両手にハタキを装備して、顔を赤くし部屋から出てくる。
満潮:「……で、なに?」
提督:「いやぁ、ごめんね?あの、ほら、これあげるからさ。」
満潮に提督から紙袋が渡され、満潮はムスッとしつつも中を確認する。
満潮が紙袋を開けると、中には【アイテム:開発資材】が入っていた。
提督:「どうどう?イイモノでしょ?」
提督:「掃除頑張ったみたいだから、提督からのご褒美です。」
楽しそうに言う提督に満潮が砲類開発の資材使用許可証を突き出す。
提督:「え、もう使うの!?」
提督:「ほら。提督からもらっちゃった☆今晩はこれを枕の下に置いて提督の夢見ちゃお☆とかないの!?」
満潮:「悪い?文句でもあるのかしら?」(ジトー)
提督:「い、いや、ないけれど。うん、開発しようか……。」

そして2人は工廠に向かい、開発を行う。
結果【装備アビリティ:機銃】が開発された。

満潮:「ん、機銃ね。」
提督:「満潮ちゃんは対空に興味でもあったの?」
満潮:「別に?ところで、近海で航空戦力を有する敵の目撃・出現情報はあるのかしら?」
提督:「うーん、ここらへんでは見ないねぇ。」
提督:「敵もここに艦載機投入するくらいなら前線の方に1機でも飛ばすだろうしね!」
満潮:「なら要らないわね、これは倉庫にしまっておいて。」
提督:「うん。あ、そうだ。鎮守府の倉庫に入ってる装備も自由に使っていいからね。」
提督:「えーと、たしかここらに……。ほら、『中口径主砲』と『魚雷』があった。」
満潮:「中口径は使えないし、魚雷はもってるから大丈夫よ。」
提督:「そっか、まあこれもそのうち誰か持つでしょ。」
提督が機銃をそこらへんにポイッと投げる。すると満潮からローキックが飛んでくる。
満潮:「雑に扱うんじゃないわよ!」
提督:「あいたっ!」

――シーン1終了。

GM:次のシーン行くよー。ここのイベントはPL1人だしそのまま宣言しちゃっていいよ。
GM:あ、イベント表はちゃんと振ります。
PL:了解ー。じゃあ、【演習イベント】かな。キーワードは「自己鍛錬」で。
GM:では、演習イベント表どうぞー。
PL:はーい。(コロコロ)→【演習イベント:救援演習】
GM:お、じゃあ、シーン始めていこう。

イベントシーン:救援演習
「次はねぇ……。うーん、まあ自由時間ってことで。ゆっくりしてていいよ。」
「そう、じゃあ演習場を教えて頂戴?」

提督:では、演習場。
満潮:「さて、何をしようかしら。」

そこは、あらゆる艦種の艦娘が訓練を行えるようになっている設備が整えられていた。
中には、どういう風に使うのかまったく分からないものまである。
クリームパイとか何につかうんだろうか……?

満潮:「設備だけは上等ね……。意味不明なのもあるけど。」
満潮:「へぇ、救難訓練。目標地点まで回避しながら接近して、そこからは対象を護衛しながら撤退ね。」
満潮:支援は満潮の十八番よ!
救援演習訓練の場所には、長い水路がある。
水路の奥には小島を模した浮きがあり、そこには既に見慣れた提督の姿があった。
提督:「おーい!秘書艦殿ー!僕を救援してくれー!」
満潮:「ちっ、撤退するわ!」

GM:おい!支援得意じゃなかったのかよ!
PL:撤退戦は満潮の十八番よ!

提督:「えぇっ!助けてよ!」
満潮:「仕方ないわね……。」

水路の両脇には通過する対象を自動で検知してカラーボールを射出する固定砲台が設置されている。満潮はカラーボールを避けつつ救援をしなければならない。
満潮はさすが艦娘なだけあって、無事に提督のところまでたどり着いた。
しかし、ここからは荷物(提督)を持っての移動になる。先ほどのようにはいかない。

提督:「さすがだね、満潮ちゃん!僕をよろしくね。できれば、優しくお姫様だっことかで……キャッ。(はぁと)」
満潮:「荷物が増えるわね。」
そう言って、満潮は荷物(提督)をロープで巻き、自身に結びつける。
提督:「えっ、ちょっと。なんだか乱暴だね……。」
満潮:「暴れられたら面倒なのよ。」
提督:「あ、暴れないって!というかこれ落とされたら僕水の中で身動き取れないよ!」
提督:では、判定しましょう。指定個性《支援》です。
満潮:任せなさい!(コロコロ)→成功
満潮:「落とさないからしっかり息止めてなさい!一気に行くわ!」
提督:「うわぁっ!」
そして、満潮は見事提督を無事にスタート地点まで運ぶ。救援演習訓練は無事成功した。
なお、提督は虫の息で腰を抜かしていた。
満潮:「ふぅ、無事完了ね。」
提督:「し、死ぬかと思った……。」
満潮:「女の子の肌を見たんだもの、これくらい安いでしょ?」
提督:「うっ……それを言われると。」
満潮:「これでチャラにしてあげるわ。次からは気を付けないとぶっ飛ばすわよ。」
提督:「あの、ところでさ。満潮ちゃん。提督からお願いがあります……。」
満潮:「なによ?」
提督:「さっきので腰が抜けたので、執務室まで肩を貸してください……。」
満潮:「……貸し一つね。」
提督:「うん……。」

――シーン2終了。

GM:満潮は経験点10点獲得します。それから、任務1達成です。
PL:やったぜ。
GM:次のシーンはイベントシーンです。先ほどのシーンの続きで執務室からスタートだよ。
PL:了解ですー。提督は執務室まで運んであげます。
GM:ありがてえありがてえ!

イベントシーン:謎の救援無線
指定個性《暗号/航海2》
「PC!緊急無線だ!『救援求ム。』詳細は、……クソッ、暗号が、ええと……。」
達成:決戦フェイズの戦闘を丁字戦有利の状態で開始できる
残念:決戦フェイズの戦闘を丁字戦不利の状態で開始しなければならない

提督:執務室の扉を開け、満潮と提督が執務室に戻ってきたところから。

満潮は提督を執務室のソファに座らせようとする。
その時、提督の机に置かれていた連絡用通信デバイスが振動した。
気づいた提督は素早くそれを取り、目で画面を追う。

提督:「満潮!」
満潮:「……なにかあったのね?」
提督:「鎮守府近海から救援無線が届いた!」
満潮:「近海から?」
提督:「ああ、これは艦娘から……?艦種不明。内容は――」
提督:「『敵深海棲艦と遭遇。至急、救援求ム。』!」
満潮:「いくのね?」
提督:「ちょっと待ってくれ。まだ続きが……なんだこれ?暗号解読にミスか?クソッ……。」
満潮:「貸しなさい。」
提督:「う、うん。分かるかい?」

提督は満潮にデバイスを手渡す。
そこには、複雑な暗号で何か書かれている。重要なことに違いない。

提督:では、判定しましょう。指定個性《暗号》です。
満潮:「やるだけやるわ。」(コロコロ)→成功

そこには、敵の編成、配置、敵現在位置と進行予測位置が書かれていた。
また、『自身の安否よりも敵の撃退を優先すべし、陸に近づけてはならない。』とも。

提督:「分かったんだね!?さすがだよ!満潮!」
提督:「満潮ちゃん、今から出撃になるよ。いけるかい?」
満潮:「問題ないわ。」
提督:「よし!では、出撃命令を下す!」
満潮:「……。」
満潮は黙り、提督の目をジッと見つめる。
提督:「大目的は艦娘の救援だ。その為に敵深海棲艦に奇襲をかけて、これを撃退すること。いいね?あくまで、救援の為の戦闘だ。深追いはしちゃいけないよ。」
満潮:「了解したわ。」
提督:「帰ってきたら、何か美味しいもの食べさせてあげるからさ。必ず、帰ってきなよ。」
満潮:「間宮パフェでいいわよ。」
提督:「ああ、もちろん!」
提督:「じゃあ、いってらっしゃい!」
満潮:「満潮、抜錨するわ!」

――シーン3終了。

GM:これで鎮守府フェイズは終わりです。次から決戦フェイズだよー。
PL:生き残るぞー!
GM:頑張ってください。

――鎮守府フェイズ、終了。

■決戦フェイズ

GM:では、決戦フェイズを初めていきましょう。
PL:はいな。
GM:まずは、敵の編成と戦闘終了条件を伝えます。

敵:駆逐イ級×2(どちらも等級無し。表記上、イ級1、イ級2とする。)
勝利条件:敵1体以上の大破・轟沈
敗北条件:PCが轟沈判定になる、もしくは敵を1体も大破・轟沈出来なかったとき

GM:これが今回の艦隊戦の編成と条件です。
PL:了解!
GM:では、艦隊戦を開始します!

提督:まずは、状況の確認。
提督:敵編成と条件は前述の通り、戦場は丁字有利となります。
提督:そして、プロットの外ですがこの場には小さな岩場があり、戦闘に不参加のNPCとして、損傷を受けた朝潮がいます。彼女は救援に来た満潮に対して、感情点を1点持っています。
満潮:アッサ……!(笑)
満潮:「朝潮!貴方が救援を出したのね!でも、どうして1人でここに!?」
朝潮:「満潮……?作戦中の艦隊から逸れて1人ここまで来たところで深海棲艦と遭遇して――」
朝潮:「とにかく、いまは私の事なんかどうでもいいわ!敵に集中して!」
満潮:「くっ……そこにいなさい!」

提督:プロット決定します。こっちはランダムで決めます。
満潮:決定したわ。
提督:索敵をできるユニットはいませんね。では、プロット公開。

満潮→航行序列6
駆逐イ級1→航行序列3
駆逐イ級2→航行序列2

提督:今回は航空戦できるユニットもいませんので、砲撃戦1ラウンド短距離砲撃から開始です。
満潮:了解!
提督:まずは、満潮の攻撃です。
満潮:イ級1を小口径主砲で攻撃(コロコロ)成功!続けて、魚雷で連撃宣言(コロコロ)成功!
満潮:ダメージ(コロコロ)13点か!
提督:では、イ級1は大破です。戦闘続けます?
満潮:まだまだやれるわ!
提督:では、イ級1の攻撃です。回避判定どうぞ。
満潮:【固有アビリティ:その先にあるのは地獄】宣言!【行動力】減少(コロコロ)
提督:上手くいけばイ級1は轟沈しますね。
満潮:上手くいかせるわ!改めて、回避判定(コロコロ)……成功!やりました。
提督:航空甲板搭載駆逐艦かな?では、回避成功。そして、イ級1は轟沈しました!
満潮:「馬鹿ね、とろいったらありゃしないわ。」
朝潮:「まだ油断しちゃダメよ、満潮!まだ残ってる!」
提督:イ級2の攻撃です。回避判定どうぞ。
満潮:【固有アビリティ:その先にあるのは地獄】宣言!【行動力】減少(コロコロ)
満潮:回避判定よ!(コロコロ)ファンブル!?アクシデント表……損傷1つ発生……マズイ!
提督:イ級2の攻撃ダメージ算出です。心せよ。(コロコロ)……9点。
満潮:よし!なんとか中破よ!
提督:では、砲撃戦2ラウンドです。全員短距離になります。
提督:まずは満潮から。ここで決めないと辛いですね。
満潮:決めるわ。小口径主砲(コロコロ)成功!魚雷で連撃(コロコロ)成功!
提督:では、満潮が敵に狙いを定めていると突然敵側面から爆発が起こります。
満潮:朝潮……!もうボロボロなのに!
提督:では、ダメージ算出です。頑張ってください。
満潮:……(コロコロ)16点!よっし!
提督:おめでとう。イ級2は朝潮の援護と満潮の砲撃によって轟沈しました。
提督:勝利です!
※この後に戦果の処理を行ったがここでは省略する

敵の殲滅を確認した後、満潮は朝潮の方へ向かう。
満潮:「朝潮!」
朝潮:「満潮……。よかった、倒したのね……。」
朝潮は1人で戦っていたのだろう。沈みこそしていないが大破状態だ。
満潮:「倒したのね、じゃないわよ!少しは自分の心配をしなさい!!」
朝潮:「わ、私なら大丈夫よ……。」
朝潮:「それより、まだ近くに敵がいるかもしれないわ……。満潮だって無傷じゃないんだから、早く帰港を……。」

そう言うと朝潮は異音を発する機関を動かし1人で鎮守府の方へ向かおうとするが、満潮が襟首を掴みそれを止める。

満潮:「まちなさい!」
慌ててそう言うと満潮は提督に無線通信を行う。
満潮:「提督!」
提督:『分かってる。満潮は朝潮を曳航してただちに鎮守府に帰投してくれ。』
提督:『もう2人とも限界だ。この際、敵は後回しだ。早く帰って来るんだ!』
朝潮:「わ、私は大丈夫。足手まといにはならないわ……。」
満潮:「了解!大破しといてなにいってんの!いいから一緒に行くわよ!」
朝潮:「う、分かったわ。ごめんね。」

そう言うやいなや朝潮は意識を失う。朝潮も限界だったのだろう。
そして、満潮は朝潮を曳航し、無事鎮守府まで帰投する。

――決戦フェイズ、終了。

■終了フェイズ

満潮と朝潮は鎮守府に帰投した。
2人は提督の指示によりすぐさま船渠に運ばれ、現在は入渠中だ。

提督:満潮はどうします?
満潮:朝潮と一緒に修復かな。秘書艦だしバケツを用意してあげたい。
提督:ではフレーバー的なアレでバケツを使い修復できます。
満潮:ありがとう!
提督:ふっ、いいってことよ……。

満潮:「……で、どうしたわけ?」
朝潮:「艦隊からはぐれて、深海棲艦に遭遇して……弾薬燃料もほとんど底を尽きて――」
満潮:「クソ真面目な貴方が、なんで艦隊から離れるようなヘマをしたわけ?」
朝潮:「それは……。」
満潮は朝潮の目に戸惑いのようなものを感じた。
満潮:「はぁ、言えないならいいわよ。」
朝潮:「……ごめんね。満潮。」

そのとき、スピーカーから放送が流れる。提督からだ。
放送:『こちら月見提督。』
放送:『満潮と朝潮は入渠完了後に提督執務室まで来るように。繰り返す――』

満潮:「いかなきゃね。無理に聞かないわ。でも、これだけは言わせて。」
朝潮:「なに?」
満潮:「任務を達成するとか、人々を守るのは良いけど、自分の命を軽く見るのはやめなさい。」
朝潮:「でも、私が生き残っても、誰かが犠牲になってしまっては意味が……。」
満潮:「意味無くなんかないわよ。」
朝潮:「意味ないです……。満潮が助けに来てくれたとき、嬉しかったけれども、とても怖かった。満潮が沈んだからどうしよう、って……。」
満潮:「朝潮。朝潮は、私が轟沈するのが怖かったのよね?」
朝潮:「ええ……。」
満潮:「なら、なんで私も朝潮が沈んだら悲しむって気づけないの?」
朝潮:「え……?わたしが、沈んだら、満潮が……?」
満潮:「私はもう嫌なの。自分の知らないところで、何もできないまま皆が沈むのは。」
朝潮:「そんな、わたし、気づかないうちに貴方にひどいことを……。」
満潮:「だから、自分の事は大事にしなさい。少なくとも朝潮が助かって私はホッとしてるわ。本当に。」
朝潮:「うん、ごめんなさい。」
満潮:「いいの、貴方が変に頑固なのはわかってるから。」

2人は抱き合ってお互いの無事を喜び、そして船渠を出て提督執務室へと向かう。
向かう途中、提督から放送で酒保に寄りアイスを買ってくるように指示された。
酒保でアイスを買ったあと、2人は執務室前へやってくる。
執務室の中から、提督の声が洩れている。
提督:『そんな……それじゃ……!…っ!……分かりました。』
提督:『……クソッ!』
最後に大きな声が聞こえ、そして静かになる。

満潮&朝潮:「……。」
満潮は間を置き、執務室の扉をノックする。
満潮:「満潮よ。」
提督:『どーぞー!』
中からは提督の明るい声が聞こえてきた。中へ入ると提督が2人に話しかける。
提督:「おっ、二人ともすっかり治ったようだね。よかったよかった。」
満潮:「えぇ、とりあえず、朝潮はどうなるの?」
満潮は朝潮の手を強く握る。朝潮も、また満潮に手を強く握り返す。
朝潮:「……あの――」
提督:「まあ、その、まずはアイス食べない?」
朝潮:「ぁ……。」
満潮:「…はぁ、わかったわ。」
朝潮:「司令官……。」
提督:「うん。まあ、朝潮も食べなよ。」
朝潮:「……はい。」
3人は暫く静かにアイスを食べていた。そして、提督が話し始める。
提督:「朝潮がこれからどうなるか、だね。」
満潮と朝潮、2人は黙って提督の話を聞く。
提督:「まずは、朝潮。君は大規模作戦に参加していた前線提督のところの艦娘だね?」
朝潮:「……はい。」
提督:「これから僕はキミに酷い事実を確認するよ。」
提督:「君は前線提督の艦隊で作戦行動中にあった。」
提督:「そこで、損傷を受けた。艦隊行動を継続するには厳しいほどの損傷だ。」
提督:「本来ならば、提督はそこで艦隊に帰投を命じるはずだった。」
提督:「しかし、その海域は敵拠点の目の前だった。」
提督:「……そして前線提督はある決断を下した。」
提督:「……。」
提督:「戦闘中、駆逐艦朝潮は敵の至近弾を受け意識を喪失。混乱のためだったのかな。そのまま行方不明となった。」
提督:「君の艦隊は必死に捜索したようだが、結局は見つからなかったそうだ。」
満潮は朝潮の手を握っていない方の手で拳を強く握り震わしている。
朝潮:「……はい。」
提督:「結論を言うね。前線提督は駆逐艦朝潮を轟沈として処理した。」
提督:「君は、既に書類上では沈んだ艦娘となったんだ。」
提督:「前線提督の鎮守府には新たな駆逐艦「朝潮」が配属されることになるだろうね。」
朝潮:「そう、ですか。そう、なんだ。」
朝潮:「私、生きてるのになぁ……。」
朝潮は静かに涙を流し始めた。満潮は朝潮の手をもう一度強く握り言う。
満潮:「……大丈夫。」
満潮:「提督。」
提督:「うん。何だい?満潮。」
満潮:「この鎮守府……、確か朝潮は配属されて無かったわよね?」
提督:「あぁ、そうだね。」
満潮:「ここにいることはできないの?」
提督:「実際はどうあれ、朝潮は既に轟沈した艦娘だから。いまのままだとダメなんだ。」
満潮:「……どういう意味?」
提督:「いまの朝潮は本当に沈んで、新しい朝潮にならなければいけないということだよ。」
満潮:「……そう。朝潮どうする?」
朝潮:「満潮――」
満潮:「大丈夫、朝潮は朝潮だから。」
不安な瞳で満潮を見つめる朝潮は、満潮の言葉を聞いて覚悟を決めた。
朝潮:「私は、私はもう、……沈んでいます。今日、轟沈しました。」
朝潮:「……。ここにいる朝潮は、新しい朝潮です。」
提督:「そっか。うん、満潮。」
満潮:「なに?」
提督:「今日の戦闘だけれどね。僕達は残念ながら、救援無線を出した艦娘を助けることはできなかったんだ。」
満潮:「……そうね。」
提督:「君は、艦娘が沈む姿をその目で見たんだ。深海棲艦の残骸に混ざって、艤装の回収すら出来なかった。」
提督:「そうだね。」
満潮は隣に座る朝潮を抱きしめつつ、提督の問に答える。
満潮:「えぇ。」
提督:「でも、沈んだ艦娘とは同個体の別の艦娘を発見したんだ。そして連れて帰投した。」
提督:「こういうことはわりとよくあるからね。今回は、沈んだ娘と発見された娘がたまたま同じ艦娘だったんだ。」
満潮:「そうね。新しい仲間が来たわ。」
提督:「うん。戦闘を担当した君がそう言うんだから、僕も報告書にはそう書かないとねっ。」
朝潮:「……え?え?」
満潮:「じゃあ、そういうことで。」
提督:「ああ、そういうことだね。今日から新しい仲間が増えるよ。」
朝潮:「あ、あの、どういうことなの?満潮?」
満潮:「これからよろしくってことよ、朝潮。」
提督:「あっ、そうだ。朝潮もまだ慣れないことがあると思うからさ。満潮の艦隊で面倒見てあげてよ。」
朝潮は困惑した表情で満潮と提督を見る。
朝潮:「いいの?いいんでしょうか?」
満潮:「いいのよ。当たり前じゃない。」
提督:「ああ、当然だね。」
朝潮:「……っ!あっ、ありがとう!ありがとうございます!本当に、ありがとう……!」
満潮:「これから、よろしくね。」
提督:「よろしく。」
満潮と月見提督は優しい微笑みで、新たな仲間を迎える。
朝潮:「はいっ!駆逐艦朝潮、頑張ります!よろしくお願いします!」
朝潮は輝くような笑顔で2人に答えるのであった。
提督:「さて!この鎮守府は君たち2人だけだ!近海に深海棲艦が確認されたんだから、これからは忙しくなるよ!」

新たな仲間が加わったトカゲのしっぽ鎮守府。
――これから何かが始まる。
そんな予感を抱きつつも、駆逐艦「満潮」は新たな時間を歩み始めた。(終)

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