〇今日から日記を書く。これは去年からの考えだが、何か目的のあるわけでもなく、ただ「日記を書こう」と思ったから書く。よって文章は読み物的でないこともあるが、それでいい。できれば毎日書きたいが、難しければ後日に前の日のものを書くこともある。
〇祖父母への新年の挨拶を済ませて家に帰り、やっとひと息着く頃のことだった。私は休憩にコーヒーを淹れようとした時、地面が微かに揺れた。午後四時頃から発生した、石川県能登地方を震源とする地震の第一波である。はじめ微かな揺れに気づいた私はNHKの速報を確認し、震源地と震度六強の字を見、感じた揺れとの差に首を傾げ――歩くのも危うい程の強い揺れが来た。本震だ。最初の微かな揺れで火元を切っておいたのが幸いし、ほうぼうのていで玄関の扉を開け、あとは自室に駆け込み積まれた本の山が雪崩れるのを恐れて抱えるように支えていた。長く揺れていたように思う。三〇秒~一分程か。やがて揺れも収まり、私や家族に怪我もなく、本の山も一部崩れるだけで済んで安堵し、再びNHKを見る。そこにはアナウンサーの被災地の人々へ避難を知らせる叫びと、繰り返す余震、「東北大震災を思い出してください!」という声――壮絶な正常性バイアスとの戦い――があった。私と言えば、被災地の人間でもないのに不安に駆られ、崩れた本を片付けつつ、その中にあった『笑う子規』を読んで緊張を紛らわしていた。