〇晴れ。祖母の一周忌が行なわれた。身内だけのささやかなものだが、気が置けない人たちと食し、語らい、故人を偲んだ。
私は、こういった場で気の利いた事をできる人間ではない。
とはいえ何もしないのも手持ち無沙汰なので、少し良い豆を挽き、食後の珈琲を淹れてふるまった。
祖母も珈琲を飲む人だった。
喫茶店にいっしょに行った時、うまそうに飲んでいたのを覚えている。そういえば、選んだ豆は酸味の強いもので、あるいは祖母には飲み慣れない味わいかもしれない。
まあ、そこはふるまう側の好みと割り切り、このさい草葉の陰の祖母には新しい挑戦をしてもらった。
珈琲は好評で、うまかった。