日記:2025年7月24日

〇晴れ。近ごろは甲子園の地方大会を見ている。『見る』といっても、積極的に見ているわけではなく、仕事の休憩中に流れているのをボオと流し見るだけで、私自身は野球に然程の興味があるわけでもない。
 が、それでも試合にドラマがあるのは分かる。
 今日見たのは準決勝の試合。途中まで両チーム拮抗していた点数を一方のチームが8回裏でリードし、あと1回を抑えきれば勝利という場面となった。が、9回表で逆転され、9回裏に点を取り返すことは叶わずに試合終了となったのだが、この正念場の9回裏にドラマがあった。
 逆転の手前だった。2アウト一二塁だったと思う。長打が一本でれば同点か逆転サヨナラという場面である。カーンという硬質な金属音が鳴る。白球が鋭い放物線を描いて一二塁間を越えてライトへ飛ぶ。
 ライトを守っていたのは守備側チームのキャプテンだった。白球の落下点をめざしキャプテンは走るが、どうにもあと一歩届きそうにない。
 ――ああ、これで逆転勝ちになるな。
 と、白球を追うカメラの映像を見ていた私は思った。おそらく同じ試合を見ていた人は同じ感想を抱いたのではないかと思う。
 だが、現実はそうならなかった。キャプテンが飛んだ。白球を追い、落下点へ駆け、尚もあと一歩が届かないという状況で、勢いそのままに跳躍したのである。
 キャプテンのめいっぱい伸ばした腕と、天に掲げたグローブ。
 跳躍によって稼いだ丁度一歩分の距離。
 次の瞬間にはボールはグローブに収まっていた。勝者と敗者が決定し、試合終了のサイレンが鳴り響く。すべては一瞬のことで、その一瞬のあいだに私は思いもよらない結末を目にした。
 なるほど。私はスポーツをあまり理解しないが、この一瞬の面白さこそが、スポーツが太古より人類を惹きつけてやまない魅力なのではないかと思った。

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