〇雨。今日も一日雨模様かと思いきや昼頃に止む。とはいえ晴れ間のないことには変わらない。巷は明日から華の三連休だが、暖かな陽射しは明後日の土曜日まで待たなければならない。予報が当たれば、だが。
〇華といえば、近ごろ思う所あって大正時代を舞台とする小説を幾つか買った。
・永井紗耶子『華に影 令嬢は帝都に謎を追う』
・伽古屋圭市『ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人』
・北村薫『街の灯』
「大正」と聞けば思い起こされるのは大正ロマンとその影に広がる頽廃文化だろう。社会に新しい風が吹き、海老茶色の袴を着けた紅顔の女学生たちが編み上げブーツの踵を鳴らして軽快に大路を駆けていくようなハイカラな世界があれば、海老茶袴を履いた白骨のような女が夜陰に紛れ女学生を騙って暗い夜の大路で男を破滅に誘うようなデカダンスの世界もある。しかもこれらは同じ大路で起きているという二面性。
無論、こういった現象は時代を選ばず、どこの往来でも起きているが、大正時代という一種ロマンの代名詞として謳われる時間と、その後来る歴史的破滅の気配が物語に与える色気が、私には何か特別なものに思えるのである。