〇晴れ。平穏無事の一日。通勤途中、往来の桜に緑の葉を見た。どうやら早くも春が過行くらしい。近ごろは気温も上がってきて、日によって夏の気配を感じることすらある。
私の周囲には全き長閑な春のあるばかりだが、ニュースを見ていると、巷は様々な事件が起きている。遠くの戦争、誰それの結婚、汚職事件、著名人の訃報――どれも確かに事件には違いなく、人によっては重大事と捉える事柄だろうが、私にとっては生活一切に影響のない(少なくとも、実感を伴わない)些末事である。
薄氷の上の平和は何もフィクションばかりの話でもないが、しかし誰しも、己の立つ場所が危ういとは思わない。