〇晴れのち雨。日本列島を縦断しようとしていた台風10号の暴風域は潰えた。何でも屋久島に聳える峰々が台風の目にぶつかり、渦巻く風の中心を潰してしまったのだという。恐るべきは自然のダイナミズムである。とはいえ、暴風とはいわないまでも、強い風の吹く事には変わらず、風は雨雲を運ぶ。
要するに、台風10号は、風台風から雨台風となった。暴風の脅威は去ったものの、大雨の影響で各地では土砂災害や洪水が起こり得るという。
〇台風10号が雨台風となったことで、暴風を警戒していただけに「拍子抜け」という声を聞いた。今回の台風でさんざ怯え、現に暴風域の消え去るまでに沖縄・九州本土では被害があって死傷者すら出ている上での『拍子抜け』――事程左様に、人間とは視野狭窄の生き物である。
私ではなかったという安堵は正しい。
だが、傷ついた者がいないような振る舞いをするのは、無神経というものである。