日記:2026年5月5日

○晴れ。琵琶湖は竹生島まで観光に行った。利用したのは琵琶湖汽船という船会社だが、当然汽船ではない。乗船時間は往復60分程度、竹生島滞在時間は80分となる。
 琵琶湖というのは巨大な湖であるわけだが、湖内に島があり、その島まで船が出ているというのは中々のスケール感である。机上の知識ではそれは当然事だが、実際に船に乗り、立つ白波の後ろに流れてゆく港を見れば「ここは本当に湖なのかしらん?」と思わずにはいられない。
 しかしながら、船上から見る景色には──琵琶湖全景は湖水を越えた遠くに霞む市街地があり、街の外には伊吹山地、鈴鹿山脈、比良山地がある──琵琶湖を囲む連峰が続いており、今自らのいるところは湖である、と教えてくれる。
 竹生島についてはあまり書くことがない。滞在時間が存外短い。平生であれば80分でじゅうぶんだろうが、ゴールデンウィークで混雑しているから霊験あらたかな寺社仏閣や舟廊下等々、流れてゆく景色に過ぎない。決してつまらないことはないのだけれど、下調べもせずふらりと行ったものだから大して知識もなく、パンフレットを見ながら人混みの中でヘエだのホオだの言いつつ見ただけで、楽しかった以上の解像度が出ない。
 あえて何か挙げるとすれば、竹生島の港から島の頂上までを繋げる急な石造りの165段「祈りの階段」を登りきった先、大弁才天を祀る「宝厳寺本堂(弁才天堂)」で水琴鈴の御守を買ったことだ。
 早速御守をコンパクトデジカメに付けてみれば、鈴ほど目立つ音は出ないが、耳をすませばなんとも涼やかな音色が響き、水色の外見も綺麗でよい。
 偶然ではあるが、今日は立夏である。二十四節気の第七、夏の立つがゆへ也──これからの暑い夏、ふとした拍子に聞く水琴鈴の音色は、暑気のなかで幾分かの涼をもたらしてくれるだろう。

○体感の話を続ける。といっても長々と書くつもりない。5月の船上は寒かった。フェリーの往復で、行きは船内に座り、帰りはデッキ席に座ったのだが、帰りのデッキ席は初夏の服装では鳥肌が立った。湖に吹きつける風をもろに受け、気温20度程度であったはずなのに15度くらいに感じた。
 これもまた、水琴鈴の音で思い出す涼のひとつとする。

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