日記:2025年10月14日

〇曇のち雨。連休明けは荒天で始まった。朝から薄墨を垂らしたようだった空は、夕にいよいよ黒黒とし、時折、雲の中に稲光が閃いていた。
 空模様は夜が深まるに連れてますます荒れていった。
 午後11時頃のこと。寝支度を終えた私の耳にドーンと地響きめいた音が響いた。続いて空気のふるえる振動と、何かが落ちてくる感覚。近場の避雷針に雷が落ちたのである。
 むろん私は近場に避雷針があるのを知っているし、空の荒れているのも知っていたから、雷が落ちたのだとすぐ思い至った。が、その衝撃たるや凄まじく、まさしく「空が落ちた」ようであった。
 古今東西の神話において、雷は神の御業であった。それは自然現象に過ぎないが、それでも私の感覚は大いなる存在の気配を幻視した。

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