日記:2024年9月29日

〇曇ときどき雨。依然鬱陶しい曇空が続く。灰色を塗り重ねて水で溶かしたような空と、息の詰まる湿気った空気と、それらで一杯になった地上と、それら天気を構成するすべてを不快に感じた。
 秋というより梅雨の空だった。
 とはいえ、町を歩けば街路樹の落葉がアスファルトの道路を汚しているのが目につくから、やはり季節は秋らしい。

〇人間は自らの望むものしか見ないというのは、真理だと思われる。
 秋の汚さ――これは季節を問わず、自然という生命の持つ汚さだが――なんて、いままでいくらでも見知っているのに、毎年秋には鮮やかな赤に期待し、勝手に落胆している。
 泥中の蓮を尊ぶ者にとって、蓮以外はただの泥でしかない。

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