〇晴れ。猛暑、猛暑だった。仕事で外作業をしたら覿面熱中症である。短時間かつ激しい運動をするわけでもなかったので問題ない筈――これが間違いだった。冷房の効いた室内の快適さに甘えきっている人間の肉体に、今の日本の夏はまさに殺人的だ。
〇リリアン・H・スミス『児童文学論』を買った。
司書課程を学んでいた学生のころ、殊更印象に残った科目は「児童サービス論」と「障害者サービス論」だった。前者は司書にならんとする者が夢見る景色の一端に触れる感動があり、後者は司書に限らず、現代社会におけるサービスの在り方に重要な問題提起をしてくれた。
さて、『児童文学論』のこと。これは講義中の資料として一部引用の形で紹介されたのを覚えている。情けないことに講義の詳しい内容は忘れてしまったのだが、今でも記憶にあるのはそこに書かれた文学の意味――読者が現実という航海のなかで嵐に藻掻くとき、文学は非常用の碇となって波風のなかで安定感を与える力を持つ――確かこんなふうな事が書かれていた筈で、これに甚く感動した私は、いつか本書を読まなければいけないと思いつつ、今の今まで読まずにいた。
これは、迂闊にも「非常用の碇」が誰の言葉かを失念していたのが原因である。それを此度偶々思い出して、やっと買えた。