〇晴れ。依然強い寒風の吹く。陽の溜まる処は暖かくあれど、日陰に入れば途端に上着が欲しくなるので困った。本日最高気温一五度、最低気温八度というのだから然もありなん。
〇タイのリゾート地を歩くという趣旨のテレビ番組を見た。その中にバカンスに訪れたオーストラリア人男性へのインタビュー場面があった。
「現地の人の印象はどうですか?」と、インタビュアーは問う。
「彼らは優しく微笑んでくれる。生活が苦しくとも」と、男は笑って答える。
たったこれだけ。番組後半の場面である。言うまでもなく、男の言葉には経済的優位に立つ者の傲慢が透けるのだが、重要なのはそこではない。
それまで現地人の「微笑み」にスポットを当てることはあっても抽象的な褒め方をするばかりの微温湯的番組であったのに、ともすれば唐突に、「微笑み」の背景にあるであろう現地の人々の人生を想像し得る場面を入れる構成に考えさせられたという話である。