日記:2024年4月1日

〇晴れ。今日はいわゆる四月馬鹿、エイプリルフールでした。
 四月馬鹿には吐いていい嘘の決まりがあるのですが、それは国や地域、はたまた集団毎によって異なり、この決まりのあること自体嘘ではないのかしらん、と疑いたくなるほどですが、私はそんな数多ある決まりの中でも「害のない嘘なら吐いてもいい」という決まりを推しています。
 無害な嘘というのは存外難しいものです。
 もちろん『私は嘘を吐いたことがありません』といった直球ストレートの嘘を吐くのは簡単ですけれど、それでは嘘の面白みがありませんし、では凝った嘘を吐こうとすれば相手の事を知らなければいけません。どんな嘘なら目の前の人は傷つかずに済むだろうと考えることは――嘘を吐くための思考ではありますが――見方を変えれば優しい思考とも言えます。
 四月馬鹿とは、無益無害の嘘を吐きあい、笑いや楽しみを共有するコミュニケーションゲームをする日ではないかと私は思います。

〇「四月馬鹿とは、無害無益の嘘を吐きあい、笑いや楽しみを共有するする日」と私は上述したが、悲しいことに昨今巷には有害無益の嘘が様々の形で流布しており、それは場合によっては人の人生を破滅させうる力を持つ。
 そういったもののため、世間は嘘そのものに過剰な反応を示すようになり、四月馬鹿のような無害無益の嘘すらも楽しみ難い空気が醸成されているような気配があって、こういった空気の行き着く先がディストピア小説の舞台となるような世界なのだろう――と、ふと思った。

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