日記:2024年1月18日

〇篠突く雨。今年の芥川賞および直木賞受賞作が発表された。このテの賞で思い出すのは以前学生だった折に親交のあった文学部教授の言である。教授の言うところ、これらの賞は作家や書店といった流行作を追う必要のある方には有用だが、それ以外の本読みにとってはあまりアテにしない方がよいとのこと。これは、もとより読書の合う合わないは主観のものであり、賞を獲った作品ばかり好んで読むような読書の仕方は、ともすれば本を読むのではなく読まされている状態となることに対する危惧だろう。まあ、要するに「売り手のいいようにダマされず、キミの読む本なんだから、キミの好きな本を読みなさいよ」ということである。――と、そんなことを思い出しつつ、受賞作の中に買っていた本が入っているのを見つけ、ほくそ笑んでいた。

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